スクール・キラー お嬢様の秘密
里沙がその単語を言った瞬間、あたしは背筋が凍るのを感じた。
「里沙は…知っているの…?
“スクール・キラー”の、正体を…」
どうしてっ……?
どうやって……?
「知ってる…。
“スクール・キラー”の正体も、居場所も…」
いつもの特徴ある間延び口調ではない話し方。
それほど里沙は切羽詰まっているってことがわかった。
「誰なの?
理由は?
どうしてアイツは、いじめなんて始めたの?
今はどこでどうしているの?
どうして里沙は知っているの?
妙子は知っていたの?正体に…」
「ちょっ、久我さん!
そんないっぺんに聞かれてもわからないよぉ!」
里沙に止められ、ハッと我に返る。
「ごめんなさい…取り乱して。
あたしにとっても、久我山にとっても、“スクール・キラー”にいじめられた被害者にとっても、“スクール・キラー”を探して捕まえることは、大事なことなの。
あたしはアイツを捕まえるために、今まで地味子になっていじめに耐え続けてきた。
アイツに会うために、あたしは我慢してきたことが沢山あるの。
あたしは直接受けたわけじゃないし、身近な人が受けたわけでもない。
だけど、いじめられる辛さは、わかっているつもりだから…。
アイツを、あたしは許せないの」