スクール・キラー お嬢様の秘密
君とあたしの最終章
☆NOside☆
「……お待たせ」
まだ青空の覗く、放課後。
久我山財閥令嬢・久我山美海こと久我未美子が、屋上へやってきた。
「待っていたわよ」
佐山妙子が微笑み、隣にいる妙子の親友・橘里沙が手を振る。
美海は静かに、2人へ歩み寄る。
本来屋上は、立ち入り禁止だ。
そのためドラマなどで見かけるような柵など存在しない。
あるのは小さな段差のみで、1歩間違えれば空中散歩だ。
この学校も、元は屋上へなんて気軽に入れなかった。
例え、美海が久我山財閥の令嬢だとしても。
だが、この学校には生徒しか知らないある噂がある。
過去にこの学校を卒業した先輩が、屋上への出入りが自由に出来るよう、閉まっていた鍵をピッキングで開けたのだ、と。
その噂は事実で、美海たちもその噂を聞きつけ、こうして屋上へと出入り出来たのだ。
先生たちは知らない、生徒だけに流れる噂。
それはこれからも、受け継がれて行くのだろう。