スクール・キラー お嬢様の秘密







自分で自分を、壊した。

自分で自分のちっぽけな世界を壊した。

自分で自分の嫌な人生を狂わせた。




自分で自分の幸せを、

―――俺は壊したんだ―――…。





後はヤケクソだった。





『何?偽善者のつもり?
俺を庇って楽しいの?
お前の方こそ自己満足だろ?

否定して何が悪い?
いじめして何が悪い?
嘘ついて何が悪い?

傷つくのは俺なんだろ?
じゃあ、てめぇに関係ねぇじゃねぇか……』





とことん彼女の俺への印象を悪くしたかった。

“スクール・キラー”だと明かした今。

彼女の許せない人物が俺だとわかった瞬間、俺は彼女へ気持ちを伝えられなくなった。

それが悔しくって。

初めて罪悪感に襲われ、初めて後悔した。

自分が愚かだった、あの血塗られた過去を。





悪くしておかねぇと。

―――彼女へ気持ちを伝えられない、と俺自身に教えてやりてぇから。

彼女への気持ちを消すには、彼女の俺への印象を悪くしておくのが良いと思えたから。




ヤケクソに何か言わねぇと。

―――壊れてしまいそうだったから。

俺の、とっくの昔に失くしたと思っていた、心が。





張り裂けてしまいそうだった。

彼女への想いが溢れて。





―――泣いてしまいそうだった。







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