スクール・キラー お嬢様の秘密
……あ、そうだ。
あたしは涙を拭いて、ベッドから降りて部屋を出た。
「村瀬?村瀬いる?」
「どうされました?お嬢様」
あたしが呼ぶとすぐに現れる、有能な執事。
さすが村瀬だわ。
「お願いがあるの村瀬。
今すぐお父様とお母様に会えないかしら?」
「旦那様と奥様ですか?
少々お待ちください、聞いて参ります」
「お願いね」
あたしは、久我山財閥令嬢。
次期久我山財閥社長でもある。
令嬢であり次期社長であり『いじめ防止委員会』会員だ。
…ちゃんと、伝えなければ。
「お嬢様、聞いて参りました。
旦那様も奥様も、お嬢様にお会いしたいと。
本家まで来てほしいそうですが、いかがですか?」
「今すぐ行くわ。
村瀬、車を用意してくれるかしら?」
「御意」
村瀬の用意した車に乗りこみ、あたしは久しぶりに本家と呼ばれる実家に戻った。