スクール・キラー お嬢様の秘密
今住んでいる家よりも大きな、本家こと実家。
今の家が……10個分ぐらいかしら?
「久しぶり。お父様、お母様」
広々としたリビングに行くと、お父様とお母様がソファーに並んで座っていた。
あたしが高校入学と同時に今の家に引っ越したから、会うのは久しぶり。
現社長のお父様と、秘書のお母様は忙しいから、滅多に会えなくて。
「美海ちゃん久しぶりね。
学校生活はどうかしら?」
「楽しいわよ、お母様」
40代だと言うお母様だけど、外見は20代と言っても良いぐらい若々しい。
久我山はお母様の実家だから、正真正銘のお嬢様だ。
「美海、久しぶりだな。
村瀬くんから連絡来た時は驚いたよ」
「確かに連絡もあんまりしなかったからね、お父様」
お母様と同い年らしいけど、凄くダンディーなお父様。
実はお父様は、久我山家令嬢だったお母様の専用執事だった。
そんなお父様にお母様が一目惚れして、お母様の両親―――あたしにとってはお祖父様とお祖母様―――を説得して、結婚したのだ。
お嬢様と執事と言う身分差の恋だったけど、お祖父様もお祖母様も許したって言うから驚きだ。
小さい頃お父様とお母様の馴れ初めを聞いて、あたしもそんな恋愛してみたいと夢見たものだ。