スクール・キラー お嬢様の秘密
「彼が、“スクール・キラー”だったわ」
「ふむ…真宮美弦くん、か。
中学時代も今も、成績は優秀なようだな…」
「ええ」
「長所は、誰にでも分け隔てなく接すること。
短所は、少々抜けている面がある…か」
短所を見て、何故か笑みを漏らすお父様。
…真宮くんの短所って、それなの?
そもそも短所って言えるの?
でも、長所の所に書いてあるらしい『誰にでも分け隔てなく接すること』は合っているかな。
あたしに話しかけてくれたし。
…理由を思い出し、少し…いや、かなり寂しくなった。
「家族構成は…少し複雑だな。
父親も母親も異父妹(いもうと)も橘姓なのに、彼だけ本当の父親の名字なのか」
「そうみたいだね…」
里沙が言ってた。
真宮くんはお母さんと仲が悪いって。
名字が違うのも、きっとそれが理由だろうな。
「本当の父親は誰だか知っているのか?」
「そこまでは知らないわ。
そこに書かれている橘里沙とは仲が良いんだけど、本当のお父さんが誰かは知らないみたい」
「そうか……。
もしかして、幼い頃の両親の離婚がきっかけで、何かあったのかもしれないな」
真宮くんの紙を見つめ、顔をしかめていたお父様だけど。
ある一点を見つめ、固まった。