スクール・キラー お嬢様の秘密
第2章 味方の男子
☆美海side☆
今日も朝から憂鬱のあたしは、いつも通り久我未美子の格好になる。
家では常に結んでいる黒髪を、だらしなく伸ばす。
鏡を見ながら前髪のウィッグを付け、制服を校則通りに着こなす。
地味なのは嫌だし、もっと女子高生らしくお洒落したいけど。
支度は地味な方が手間がかからないから、その点は良いわよね。
お洒落をするとなると、1時間は早く起きないと間に合わないだろうから。
靴を履いたあたしは、後ろを向いて鞄を受け取った。
「行ってらっしゃいませ、お嬢様」
「行ってくるわ、村瀬」
綺麗な礼であたしを見送る村瀬を見て、あたしは玄関の扉を閉める。
門を出てから学校までは、徒歩で行っている。
あたしがまだ、久我未美子になる前は、お金持ち学園だと言われる学校に、自家用車で通っていた。
だけど今は、ごく普通の一般高校だから、こうして徒歩で通う。
最初は不慣れだったから、不安でいっぱいだったけど。
今は慣れて、徒歩で行くのが楽しみになっている。
すれ違って挨拶をしてくれるオバサンたちは、あたしを変な目で見ない。
そこが凄く良いの。