スクール・キラー お嬢様の秘密







真宮くんは、かつてクラス全員や担任からいじめに合っていた。

骨折させたりと内容は酷いもので、下手したら自殺していたかもしれない。




そんな時、目の前で花みたいに萎(しぼ)んでいる母親が、支えてあげるべきだったんだ。

気が付いたら、助けてあげるべきだったんだ。





いじめられる人にとって、優しい言葉のかけてくれる人に出会ったら。

例えそれが同情から来ていたり、うわべだけの言葉だったにしても、その時は信じられるんだ。

後々真実を知って傷つく時もあるかもしれないけど、初めて声をかけられたその時は、話しかけてくれてありがとうって思うんだ。

―――あたしはそれを、身に染みて知っている。





『未美子ちゃん』




例えあの言葉も笑顔も後姿が嘘でも。

あたしは何度も、彼の言葉や笑顔や後姿に、惹かれたんだ。

心からありがとうと伝えられるんだ。





今度はあたしが支える番。

守ってもらうだけじゃ駄目。

今度はあたしが真宮くんの力になってあげるんだ。





同情じゃない。

好きだから。

大好きだから。





彼の傍にいたいと、思うんだ。








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