スクール・キラー お嬢様の秘密
「……どこの海ですか」
「………え?」
「真宮くんに言った海って、どこですか?」
美人さんは、ボソボソと喋った。
聞き逃さないようスマホのメモ機能に書いて、あたしは急いで門を出る。
しかし途中で思い出し、振り返る。
「真宮くんと一緒に、また来ます。
その時までに考えておいてください。
真宮くんのこと、どう思っているのか。
息子だと思っているのか。
支えたいと思っているのか。
真宮くんと、今後どうしていくのか…」
美人さんが弱々しく頷いたのを見て、あたしは再び踵を返す。
「村瀬!」
「どちらですか、お嬢様」
橘家の近くで待機してくれた村瀬に、行き先を告げる。
急いで車に乗りこみ、シートベルトをしめた。
「急いで向かって!」
「御意!」
待ってて、真宮くん。
あたしが、キミを支えるから―――…。