スクール・キラー お嬢様の秘密
第1章 お嬢様の秘密
学校が見えてくるたび、あたしの心は沈んでいく。
今日もあるんだと思うと、憂鬱。
いつになったら見つかるのかしら?
早く見つかれば、あんなこともないのに。
ふう、と溜息をついて、あたしは再び歩きだす。
あたし、
久我山美海(くがやま・みみ)。
世界にその名を轟かせる、久我山財閥の正真正銘の令嬢。
幼い頃から久我山財閥を継ぐ身だったあたしは、色々なことを覚えた。
勉強から一般知識まで、ジャンルは様々。
だけどあんまり、勉強は得意じゃない。
スポーツも嫌いじゃないけど、どちらかと言えば苦手。
出来るものなら、やりたくない。
久我山財閥令嬢のあたしだけど、学校は世間で言うお嬢様校じゃない。
普通の学力の、どこにでもある共学高校に通っている。
何故かって?
…悪いけど、その理由は教えられないわ。
だって、もう教室に着くんだもの。
あたしは憂鬱な気分のまま、教室の前扉を開けた。