スクール・キラー お嬢様の秘密
「…美弦。
ありがとう」
「は?」
思わず間の抜けた声が出る。
…ありがとう?
何で未美子ちゃん、俺にありがとうって言っているんだ?
ありがとうなんて…。
1番かけ離れている言葉じゃねぇかよ。
罵れよ。
罵れよ、なぁ。
馬鹿だなんだ言って、俺の価値下げてよ。
「あたしは狂ってなんていないよ、美弦。
あたしは心から、美弦に感謝しているよ。
いじめられている時、美弦だけはあたしの味方でいてくれた。
美弦の笑顔に、あたしは何度も笑顔になった。
美弦の言葉に、あたしは何度も救われた。
美弦の後姿に、あたしは何度も勇気をもらった。
屋上で美弦に、あたしへ近づいた理由を知って、辛かった。
否定された気分になって、凄く辛くなった。
だけど、やっぱりあたしは美弦が好き。
何度も諦めようとした。
何度も忘れようとした。
だけど何をしていても、何を考えていても、ふとした瞬間に美弦のこと思いだして、諦めたくても、忘れたくても、美弦が好きだって気づかされるの。
あたしの幸せは、美弦なしで語れないって思えるようにもなったの。
好きになるのに理屈なんてない。
こじつけなんていらない。
あたしは、美弦が好き。
美弦のこと、大好きなの。
何をされても、
何を言われても、
あたしは、美弦が―――大好き」