スクール・キラー お嬢様の秘密
「教室まで一緒に行こうよ」
「良いわよ」
隣を歩く真宮くんの話を聞きながら、不思議に思う。
真宮くんは同じクラスだ。
あたしと同じクラスの人は、大体妙子に釣られてあたしを嫌ったり無視する人が多いけど。
真宮くんだけは、あたしがいじめられている中でも、優しく話しかけてくれる。
その理由は知らないけど、きっと彼なりの優しさだろう。
ちなみに昨日、真宮くんは学校を休んでいた。
だから、知らないだろうな。
あたしが妙子と数分だけど睨み合ったことを。
真宮くんの家は、この辺では立派な家の一人息子で。
ご両親も、かなりお金持ちみたい。
成績も優秀で、スポーツも人並み以上で、この甘いルックスに、あたし程じゃないけど裕福な家の出身だ。
彼がモテるのは、必須事項だろう。
「ミミちゃん?どうしたの?」
「何でもないわ。
ところで、そのミミちゃんって呼び方何よ?
ウサギみたいだわ」
「未美子ちゃん、だろ?
だから、ミミちゃん。
別に普通だけど思うけどなぁ」
学校やクラスでは無口を通すあたしだけど。
真宮くんの前では、素の自分でいられる気がするわ。
本当の久我山家で暮らす、お父様とお母様に、いじめのことを言わないのは、きっと彼のお蔭。
真宮くんがいるから、学校が少しだけど、楽しいと思えるのよ…?