スクール・キラー お嬢様の秘密
『…何か、あったんですか』
清潔そうな壁や床に高級そうな家具が囲まれたリビングに、あたしは通された。
外見見て思ったけど、やっぱりかなりの広さだ。
あたしの部屋よりは、多分小さいけど。
木のテーブルに、美弦と並んで座り、美人さんと向かい合う。
ちなみに美弦に名前を聞いたところ、喜子(よしこ)という名前らしい。
喜子さん、と呼ばせてもらうことにした。
おばさん、と呼ぶには若そうな外見をしていたからね。
『…さっき、美弦の実の父親が訪ねてきたんです』
『えっ!?』
驚いた声を出したのはあたしだ。
美弦は表情を変えず、ジッと母を見つめていた。
少し怖いと思ったのは、あたしだけの話。
『どうやら、離婚した後、ここに住んでいることを突き止めたそうなんです。
お父さんと里沙はいませんでしたので、ワタシとだけ話しました』
なんとお父さんは、離婚後2人がどういう生活をしているか、探偵などを使って調べたんだそうだ。
なので美弦が小学生の頃いじめられていたことや、中学生の頃“スクール・キラー”と呼ばれていたことも。
小学生の美弦に喜子さんが何をしたかも、全て知っていたというから驚きだ。
お父さんは喜子さんに、かつて自分がしたことへの謝罪もしてきたと言う。
やっぱりずっと、気にしていたんだろうな…。