スクール・キラー お嬢様の秘密







「ミミちゃん。
上履きは、何であると思う?」




突然聞かれ、「えっと…」と口ごもる。

そんなこと、考えたことなかったよ…。




「学校って、小学校程じゃないけど、ガラスとか割れたりすると危険でしょ?
そういう危険な物から足を守るために、あるんだよ。

あと地震とか起きて、靴が履けなくても逃げられるようにあるんだよ。

上履きがないと、もし足元に破片が落ちていたり、地震が起きた時とか、危ないでしょ?
…だから黙って、僕に任せてよ…」





恥ずかしくて俯いているから真宮くんの顔は見えないけど、わかる。

きっと優しげな表情をしている。




いつもそうだ。




入学してから今まで、いじめに合った時、この優しい声と表情で、真宮くんはいつもあたしの傍に居てくれる。

いじめられて、独りぼっちになるはずのあたしがならないのは、真宮くんのお蔭だ。

真宮くんがいるから、あたしは学校に毎日通うことが出来るんだ。



最初は、使命を守るためだった。

久我山の令嬢として、守るべき使命を。

義務に近い行動だったから、最初は嫌々だった。



いじめに合うことは、見た目や暗さから予測手来た。

初めてのいじめでもないから、毎回慣れているだろうって腹を括っていた。









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