スクール・キラー お嬢様の秘密
上履きを持ってきた校長先生は、あたしの前にサッと素早く置いた。
それを履いてみると、サイズはピッタリだった。
…あたしのサイズ覚えているのか…。
入学時に出す、生徒の個人情報満載の紙には、サイズなんて書かないから。
覚えている他ない。
…恐ろしいな、このオッサン……。
「ありがとうございます」
「サイズはピッタリですかな?」
「ええ」
怖いほど、ピッタリだわ。
「ところで久我さん。
調査状況を…教えてくれないかな?」
あたしの正体を知っている校長先生たちが、あたしを何故久我山と呼ばないのか。
外で聞いているかもしれないからだ、誰か生徒が。
念には念を入れよってやつよ。
…まぁ、この校長の態度から言って、あたしが一般生徒だと思えるかどうかだけどね。
入学時に言ったはずなのに。
「外では久我山の人間扱いしないでください」って。
…オッサンたちの態度で、バレバレじゃない。
まぁ、良いわ。
あたしは小さく溜息をついて、調査状況を話し始めた。
あたしって、
探偵か刑事みたいだわ…。