スクール・キラー お嬢様の秘密
「ふぅむ…佐山妙子くんか…」
現段階の調査状況を教えると。
校長先生は、眉間に皺(しわ)を寄せて考えていた。
…オッサン、妙子のこと知っているの…?
「意外だわ…。
佐山さんって、良い噂しか聞かない子なのよ。
成績は、そこまで優秀ではないけれども、毎回のテストで全教科平均点以上で。
クラスでも目立つグループのリーダーで、人望もあって、皆から信頼されている、友達思いで有名な子よ。
そんな佐山さんが…久我さんをいじめていたなんて…」
妙子を信頼していたのか、哀しげに顔を歪める担任。
確かに妙子は、あたしも良い噂しか聞かない。
もし私が担任の立場なら、驚くのも無理はないだろう。
いじめになんて合っていなければ。
妙子へあたしから話しかけていたかもしれないと言うほど、話しかけると気持ちの良い対応をしてくれる。
その上。
入学式後の、初めての授業の日。
妙子は里沙たち取り巻きと共に、一緒にあたしへ話しかけてきてくれたのだ。
内容は、1時間目に書いたプリントの返却を担任に頼まれたみたいで、それを渡してくれただけだから、大した話はしていないけど。
少なくともあの時。
あたしが今まで見てきた、いじめっ子特有の目はしていなかった。
この子と仲良く出来るかな?
そんな淡い期待を抱いていたほどだ。