スクール・キラー お嬢様の秘密
それなのに次の日。
あたしの机の上に、枯れた花がさしてある花瓶が置かれていたのだ。
枯れた花を置くのは、結構いじめの定番だから。
あたしの中の第六感が、“これはいじめだ”と囁いた。
突然の出来事に驚くあたしに。
妙子は取り巻きを連れ、ニヤニヤしながらあたしの所へやってきた。
その目は、その前の日に見た目とは違い、いじめっ子特有の目をしていた。
妙子だけでなく、里沙も、その他の取り巻きたちも。
『久我さん。
…入学してきて早々だけど、退学しない?』
目を細め、口元を歪めながら、妙子はあたしへ囁いた。
あたしは、直感した。
…あたしは、昨日まで普通に話していた、妙子たちの行ういじめのターゲットになったのだ、と。
そこまで思い出して、ふと思う。
…何で妙子たちは、突然あたしへの態度を変えたの?
初めて話しかけてきてくれたあの日の妙子たちは、間違いなくいじめっ子の目じゃなかった。
ごく普通の、誰に対しても向ける、クラスメイトへの視線の目だった。
それが、一晩過ごしたら、いじめっ子の目へと変わったのだ。
今まで、数多くのいじめを体験してきたあたしだ。
いじめっ子と傍観者の目を見分けることなど、容易い。