スクール・キラー お嬢様の秘密
そんな女王様の妙子が決めたことだ。
幹部である里沙も、家来の取り巻きたちも、素直に従うだろう。
妙子のグループに所属するのは、一種のステータスだから。
いるだけで、結構良い印象が持てる、と言っても過言ではない。
「そんなことで?」と思うかもしれないけど、ソレがあたしの在籍するクラスだ。
担任も、パッと見平等に生徒へ接しているように見えるけど、本当は妙子がきっと1番大事。
あたしは久我山の令嬢だから、こうして大事にしてもらっているだけ。
…別に構わないけど。
考えてみるか。
何故、妙子があたしをいじめるのか。
地味で無口だから、と考えていたけど、どうやら深く考えると違うみたい。
本当の理由が、ある気がする…。
妙子本人にも、里沙にも取り巻きにも聞けない。
あたしからなんて、話しかけられない。
「久我さん…」
今まで黙っていた校長が、口を開いた。
あたしは1回考えるのを止め、校長を見た。
「大変だと思いますが、これからも頼みます。
方針は全て、久我さんにお任せしますから。
…以前、ワタシが久我山財閥にお願いしたこと…。
守って…くださいね…」
脂汗の浮かぶ、校長の額。
あたしは深く頷いて、頭を下げて校長室を出た。