スクール・キラー お嬢様の秘密
真宮くんは、端正な顔を歪めた。
「ありがとう…真宮くん…」
彼は、優しい。
あたしに勿体ないぐらい、優しい。
「…僕、本当は…凄く…悔しいんだ…」
今にも泣いてしまいそうなほど切ない声で、真宮くんは絞り出すように話す。
「僕…ミミちゃんを、守りたいって思うのに…。
ミミちゃんを全然、佐山さんたちから守ってあげられなくて…。
ミミちゃんが、ああやって傷つく度、嫌なんだ…。
口だけで、助けてあげられない僕が…。
無力で…本当に…ごめんね……」
真宮くん……。
あたしの目に、涙が溜まってきた。
あたしはゆるゆると、首を振った。
「真宮くんは悪くないよ。
だからそんなに…自分を責めないで。
あたし、真宮くんがいてくれるから。
妙子たちのいじめにも、耐えられるんだよ。
真宮くんがいなかったら、あたしはとっくに不登校になっていたかもしれない。
それほどあたしにとって、真宮くんは大事な存在なんだよ。
ありがとう、真宮くん。
ここまで運んできてもらっちゃったし…。
本当に、ありがとう……」