スクール・キラー お嬢様の秘密
第4章 エスカレート
☆妙子side☆
ガラッと教室の扉を勢い良く開けて。
自分の席へ真っ直ぐ向かって、机の上に鞄を置くと。
「「「タエ!」」」
待っていたかのように、同じグループのメンバーがやってきた。
そしていつも通り、私の席の周りに座る。
「おはよぉ、妙子ぉー」
間延びしたいつも通りの口調で、欠伸をしながら里沙もやってくる。
…ほかのメンバーは何も言わないけど、わかる。
皆が心の中で、里沙を嫌っていることを。
じゃあ何故、言わないのか。
私が、自分から里沙へ話しかけに行くから。
誰かが決めたわけじゃないけど。
グループの中にある、明らかな上下関係。
だから誰にも、リーダーである私には逆らえないし、逆らおうとしない。
グループの中だけじゃない。
このクラスの中にもある、上下関係。
私は自分でもわかるほど、上位の位置にいる。
そんな私が、自分から話しかける、里沙も。