スクール・キラー お嬢様の秘密
あたしは俯いていた顔を上げ、ハッキリと言った。
こうしてハッキリ、妙子に言ったのは、入学式後、初めて話した時以来かもしれないわ。
いじめられるようになってから、あたしは黙っていたから。
「真宮くんは、あたしの大事な友達なの…。
話さないなんて、無理だわ…。
大体、どうしてそんなこと約束しないといけないの?
約束する必要なんて、ないと思うわ」
好きな人と一緒にいたい。
恋する子なら、誰でも考えることだと思うわ。
「…いじめても良いって言うの?」
「耐えきれるわ。
あたしはそれよりも、真宮くんと話せなくなる方が嫌なのよ」
正直、自分でも驚いている。
いじめは何度も経験あったし、こうして呼び出されることも多かった。
その度にあたしは、何をされても言われても、無視を貫いてきた。
それなのに。
真宮くん絡みになると、無視なんて出来なくなる。
いじめを受けることよりもあたしは、真宮くんと話したいの。
彼の存在が、あたしの気持ちを軽くしてくれるのだから。