スクール・キラー お嬢様の秘密







「……折角、妙子が忠告してあげたのにぃ………」




聞こえるか聞こえないかぐらいの小さな声量で、呟くように里沙が言う。




忠告?

真宮くんと話すなってことが、忠告?





「…そんな忠告はイラナイわ」

「……聞こえていたのねぇ」




意味ありげに、ふっと微笑む里沙。

…何か、隠してる?

直感で、そう思った。




……何を?

隠している、の?







「里沙、余計なことは言わないで。

…確かにコレは忠告よ。
真宮美弦と話さなければ、いじめはしないっていうね。

素直に久我さんが忠告を受け入れたのなら、いじめはしないのよ」




勝ち誇ったかのように笑う妙子。

あたしは再び真っ直ぐ、妙子を見つめた。





「忠告してくれてありがとう。
だけど、あたしにとってその忠告は無意味よ。

いじめを止めてほしいから、真宮くんと話すななんて、そんな忠告聞くわけないでしょ。

好きなだけいじめなさい。
あたしは逃げも隠れも、白旗も振らないから」





あたしは、妙子と里沙の間を通り、鞄を置いてきた教室へと向かった。





何があっても、あたしは負けないの。

真宮くんが、いる限り……。









< 47 / 225 >

この作品をシェア

pagetop