スクール・キラー お嬢様の秘密
「……何してんのよ」
クラスメイトの、あたしを罵る声しか響かない体育館裏に、クラスメイトの声でもあたしの声でもない声が響いた。
「…佐山……」
誰かが、呟いた。
腕組をして仁王立ちしているのは、間違いなく、佐山妙子だった。
隣には、ハッ○ーセットのオモチャのようにくっついている、橘里沙もいる。
「手とか出すの止めなさいよ。
手を出すのは、弱い者の証よ」
「ハァッ!?」
あたしを殴ったガタいの良い男子が、妙子に掴みかかる。
「最初に机とか花瓶とかしたの、てめぇらじゃねぇか!
それなのに、俺らのこと否定するのかよ!?」
「…確かに私たちは、机や花瓶をしたわ。
だけど、私たちは一切手は出していないわ」
怒りの形相の男子へ向かって、冷ややかな視線を向ける妙子。
「手を出すのは、これからも一切するつもりはないわ。
私は、アンタたちとは違う方法で、久我さんを追い出すの。
…私が追い出したい理由も知らないくせに、遊びとして割り込んでこないで。
……邪魔な、だけなのよ………」