スクール・キラー お嬢様の秘密
さすがに生徒が何人も転校を決めていたので、校長や教師は、いじめを行う不良グループのリーダーが誰か見つけようとした。
だけど、不良グループのメンバーは全員、口を閉ざして、リーダーが誰なのか教えなかったのだ。
不良グループの半数は少年院などに送られたが、結局その2学年が卒業するまで、リーダーはわからず仕舞いだった。
マスコミは、正体不明の不良グループリーダーに、“学校殺し”として、“スクール・キラー”と名付けた。
正体不明の“スクール・キラー”は、現在も正体不明だ。
いじめを行(おこな)った理由も不明で、高校はいつ“スクール・キラー”が現れるか不安になり。
立ち上げられたのが、
あたしが行う“あの計画”―――
『いじめ防止委員会』だ。
どこにいるかもわからない、正体不明の“スクール・キラー”が、どこへ現れても可笑しくないように。
高校へ、新1年生の生徒を、スパイとして送り込み、“スクール・キラー”が現れたら、警察などに連絡をするのだ。
あたし、久我山美海も、そんな『いじめ防止委員会』に所属し、現在通う高校を調査しているのだ。
『いじめ防止委員会』は、久我山財閥が立ち上げたもの。
他の財閥と仲の良い久我山が立ち上げたから、他の財閥を継ぐ令嬢や御曹司も、この『いじめ防止委員会』に所属している。
地味な格好をしているのも、『いじめ防止委員会』の決まり。
地味な格好で性格が暗い子は、いじめやすいといじめに合う確率が高くなる。
確率が高くなると、同じ学校に通うかもしれない“スクール・キラー”に目をつけられやすいから。