スクール・キラー お嬢様の秘密








同時に、“スクール・キラー”ではないけどいじめを行う人間へ、『いじめはいけない』と教えることも出来るから。

今では『いじめ防止委員会』に、多くの学校から調査の依頼が来る。

現在通う高校も、校長自ら久我山財閥へやってきて、調査をしているのだ。





ちなみに『いじめ防止委員会』が立ち上げられたのは、あたしが中学3年生の時。

“スクール・キラー”は、あたしと同い年。

地味な格好をして、今まで調査を頼まれた中学へ通い、いじめを行う人間へ『いじめはいけない』と教えてきた。

だけど今まで、“スクール・キラー”には出会ったことも見たこともない。





“スクール・キラー”が見つかれば。

あたしが地味な格好をする必要も、暗い性格を演じることもない。

普通の、女子高生の生活を送れるのだ。





にしても。

今まで2年間調査してきたけど。

“スクール・キラー”が現れたという情報を聞いたことはない。

あんなに、2学年の殆どを退学へ追い込んだ人物なのに。




今は、いじめを行(おこな)っていない?

それとも、いじめやすそうな人を探しているの?

…そもそも、生きてる?





「……わからない、わ」





あたしは部屋の中へ戻って、カーテンを閉めて呟いた。







そういえば、明日聞いてみようかしら…?

真宮くんに…。





考えただけで、心がポカポカしてくる。

…重症だわ、あたし……。









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