スクール・キラー お嬢様の秘密
あたしは息を吸って、一気に話しだす。
「今日、あたしの机の中に、仔猫の死骸がはいっていたの」
「……」
「それを、佐山さんは見ていたかしら…?」
「……」
妙子は腕を組んだまま、あたしの質問に一切答えない。
「誰がやったのか…教えてほしいの」
「……」
「…佐山さんが、やったの…?」
「……」
「佐山さんがやっていないと言うのなら、ちゃんとやっていないって教えて。
今までのいじめのことは、関係なくて。
仔猫を机の中にいれた犯人だけ知りたいの……」
“スクール・キラー”かも、しれないから…。
そう言えたら、楽なのに。
…だけど、それを言うってことは、“スクール・キラー”を探す目的も言わなくてはならない。
それは流れで、あたしが久我山財閥の娘だということも言わないといけない。
あたしは正直。
…“スクール・キラー”が見つかるその日まで、自分が久我山の令嬢だと言うつもりは全くない。
もし卒業まで“スクール・キラー”が見つからなければ、あたしは久我未美子として高校生活を終えるのだ。