スクール・キラー お嬢様の秘密
妙子は、大きく溜息をついた。
「…仔猫をいれたのは、私じゃないわ。
里沙でもないわ…」
仔猫をいれたのは、妙子でも里沙でもない。
“スクール・キラー”は、2人じゃない…。
「私は、教室に来るのが早いの。
里沙は、私のあとに来るわ。
私が来た時にはすでに、久我さんの机は廊下にあったのよ。
不思議に思って、中を覗きこんで…驚いたわ」
教室に妙子が早く来るのは、クラス内では有名な話だ。
先生でさえも知っているほど。
「佐山さんが教室に着いた時には…誰か教室にいた?」
「……ええ」
あたしは妙子から、教室内にいた人物を教えてもらった。
…それを聞いたら、簡単に割り出せた。
だけど、アイツらが“スクール・キラー”だと言う証拠はない。
「…もう、良いかしら?」
椅子から立ちあがった妙子にお礼を言い、ふと気が付く。
「佐山さん…。
どうして、あたしに素直に教室内にいた人を教えてくれたの?」