スクール・キラー お嬢様の秘密
クスクス笑う2人を無視し続けていると。
いきなり妙子が、あたしの机を蹴飛ばした。
騒がしかった教室が、一気に静かになる。
「…無視するんじゃねぇよ、久我」
さっきまで穏やかに話していた妙子だけど。
中学時代はヤンキーだったのではないかと言われるほど、今の口調はかなり酷い。
…短気な彼女を怒らせると、こうなる。
「…立てよ、久我」
腕組をして、殺気のする瞳をあたしへ向けてくる。
気が付けば橘里沙があたしの背後へ回り、椅子を引いた。
強制的に、あたしは立たされた。
「…仕置きが必要だなァ、久我」
それでも何も言わないあたしを見て、妙子は舌打ちをし。
あたしの頬を、思い切り叩いた。
パァンッと鋭く、良い音が響き渡る。
かなり痛い。
これは真っ赤になっているな。
他人事のように思ってしまうあたしが、何だか可笑しい。
…思わず、
「クスッ」
と笑ってしまった。