スクール・キラー お嬢様の秘密
☆?side☆
目の前で、橘里沙は、真っ直ぐ俺を見つめていた。
俺が殴って、赤くなった頬が…見苦しい。
「……知ってたわけ?
俺が…久我山が探している、“スクール・キラー”だって」
「当たり前でしょ?
アンタは、認めたくないけど…リサの、兄なんだから」
そう。
俺の目の前にいる橘里沙は、俺の妹。
まァ、父親が違うから、義理の妹になるんだけど…。
「……面白れぇじゃん、りーちゃん?」
俺は笑った。
「お前の、その佐山妙子への友情を、俺に見せてみろよ。
俺がお前らを壊してやるカラ……」
「壊せるものなら壊して。
リサは妙子を絶対に裏切らないから」
「りーちゃんが佐山を裏切らなくても、佐山がりーちゃんを裏切るかもしれねぇだろ?」
「妙子は絶対に、リサを裏切らないもん……」
そう言うと、妹は走って行ってしまった。
「…見せてもらうと、するか…。
お前らの友情が壊れて、不幸になる姿をよォ……」
暗くなってきた空に、俺の笑い声が響いた。