スクール・キラー お嬢様の秘密
「……ただいま」
家に帰って声をかけるけど、誰も返事はしない。
代わりにやってきたのは、家に仕える使用人だった。
「お帰りなさいませ」
「……ん」
「そういえばぼっちゃま。
里沙お嬢様がまだ帰って来ていないのですが…」
「…りーちゃんが?」
俺よりも先に帰ったはずだけど…。
「友達の家じゃないですか?」
「ですが……」
「…それじゃ」
使用人のバアさんの横を通り過ぎ、俺は部屋へ向かう。
扉を半ば乱暴に閉め、そのまま座りこんだ。
「……んだよ…」
どうしてだよ。
どうしてなんだよ。
どうしてお義父(とう)さんも、母さんも。
使用人も、クラスメイトも。
里沙しか見ねぇんだよ……ッ。