WORKER HOLiC
そう思って、じっと有野さんの涼しげな表情を見る。
「……何? 何かついてる?」
笑うと少し童顔な顔。
態度は至って飄々として、行動はちょっとだけ可愛らしい。
趣味は渋い……と言うよりも親父。
家事は苦手で、料理は下手。
だけど、後輩思いな訳ですね。
「けっこう、優しい所があるんですね」
「そうだよ。知らなかった?」
からかう口調に苦笑する。
「その無意味に軽いところが嫌です」
呟くと吹き出された。
「加倉井さんはハッキリ言うな」
「そうですよ。知りませんでしたか?」
「ま。薄々は気付いてた」
有野さんは肩を竦めて立ち上がると、軽く伸びをして髪をかきあげた。
「じゃ、お喋りスズメに見つかる前に退散するよ。そろそろ営業の一番うるさいのが帰ってくるだろうから」
……へ?
キョロキョロすると、有野さんはふわっと笑った。
「大丈夫。まだ来ない。後15分くらいかなぁ……あれが一番うるさいんだよね」
そう言いつつ、有野さんはのんびりと会社の方に帰って行った。
営業の一番うるさいのって、あれよね。
うちの会社一情報通のあの人よね。
まだお昼休みが終わるには30分あるから、何となく好奇心が動いてベンチに座っていた。
15分まで後1分。
時計を見てから顔を上げた瞬間、ぎょっとして瞬きした。
見覚えのある営業課のお姉様。
颯爽とした足運びでタコ焼きの屋台に近づくと、店仕舞いを始めていた恐持てのお兄さんに何か話し掛けている。
それからタコ焼きをGETして、ちらっと私の方を見た。
「あら。加倉井さん。どうしたのこんな時間に」
「あ。いえ。あの……お昼がずれ込みまして」
「ああ。そうだったの」
お姉様は少し肩を竦めて、タコ焼きの包みを片手で持った。
「あそこのタコ焼き美味しいわよ? いつもこの時間になるとお店閉めるから、安く買えちゃうの」
「ヘ、へぇ……」
「って、情報提供の変わりに、私がサボっていたのは内緒にしておいてね」
「……何? 何かついてる?」
笑うと少し童顔な顔。
態度は至って飄々として、行動はちょっとだけ可愛らしい。
趣味は渋い……と言うよりも親父。
家事は苦手で、料理は下手。
だけど、後輩思いな訳ですね。
「けっこう、優しい所があるんですね」
「そうだよ。知らなかった?」
からかう口調に苦笑する。
「その無意味に軽いところが嫌です」
呟くと吹き出された。
「加倉井さんはハッキリ言うな」
「そうですよ。知りませんでしたか?」
「ま。薄々は気付いてた」
有野さんは肩を竦めて立ち上がると、軽く伸びをして髪をかきあげた。
「じゃ、お喋りスズメに見つかる前に退散するよ。そろそろ営業の一番うるさいのが帰ってくるだろうから」
……へ?
キョロキョロすると、有野さんはふわっと笑った。
「大丈夫。まだ来ない。後15分くらいかなぁ……あれが一番うるさいんだよね」
そう言いつつ、有野さんはのんびりと会社の方に帰って行った。
営業の一番うるさいのって、あれよね。
うちの会社一情報通のあの人よね。
まだお昼休みが終わるには30分あるから、何となく好奇心が動いてベンチに座っていた。
15分まで後1分。
時計を見てから顔を上げた瞬間、ぎょっとして瞬きした。
見覚えのある営業課のお姉様。
颯爽とした足運びでタコ焼きの屋台に近づくと、店仕舞いを始めていた恐持てのお兄さんに何か話し掛けている。
それからタコ焼きをGETして、ちらっと私の方を見た。
「あら。加倉井さん。どうしたのこんな時間に」
「あ。いえ。あの……お昼がずれ込みまして」
「ああ。そうだったの」
お姉様は少し肩を竦めて、タコ焼きの包みを片手で持った。
「あそこのタコ焼き美味しいわよ? いつもこの時間になるとお店閉めるから、安く買えちゃうの」
「ヘ、へぇ……」
「って、情報提供の変わりに、私がサボっていたのは内緒にしておいてね」