WORKER HOLiC

:Ⅱ

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 何となく頑張って金曜日を無事終えた週末。

 この間、有野さんは土曜日に……なんて言っていたけど、もちろん無視。

 何となくむしゃくしゃして、出張から帰ってきた雪をお茶誘った。

 そして、いきなりの爆弾発言に目を丸くする。

 確かに雪は何処か目が離せない可愛い子だわ。

 写真以外には興味を示さない所はあるけれど、一生懸命で可愛い。

 そんな雪の話にはいつも宇津木さんが登場してきて居て。

 なんとなくこの子は宇津木さんの事を好きなんじゃないかな?

 なんて思っていたのに。

 どうして、坂口さんと付き合う事になっているの!?

 とは言え……冷静に考えると、本人同士が良ければ私が口を出す事じゃないけれど。

 どこか冷静過ぎる雪に首を傾げた。

 この子の恋愛って聞いたことはないけれど、いつもこの調子でいたのかな……

 そうは言っても、もちろん私もそれどころじゃないし、むしゃくしゃ気分はお酒で紛らわせてしまえ!

 と、ばかりに飲みに出た。

 そして飲み過ぎて公園で雪に怒られつつ涼んでいた時、いきなりの届いたメールに硬直することになる。




未登録ユーザー

件名:件名無し

何故、こんな夜中にそこに
いるの?
俺、土曜日に連絡するとか
言わなかったか?




 これは……有野さん?

 そ、そこって?

 ここ?

 ど、どこに?

 と言うか、何故メアドを知っているの~!!!

「顔色悪いよ? 具合悪くなった?」

 と言う雪に、呆然と返事をした。

「都合が悪くなったの」

 しかも、かなり。

「神崎ちゃん?」

 男性の柔らかい声音に顔を上げ、見覚えのある二つの顔に悲鳴を飲み込んだ。

 一つは雪の彼氏の坂口さん。

 そして、もう一つは笑顔だけど、どこか不穏な有野さん。

 貴方こそ何故そこにいるの!?

 こ、これは、逃げるに越したことはないよね?

 雪と彼等が話しているうちに、こっそりとバックにスマホをしまい、こっそりとベンチをズレる。
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