WORKER HOLiC
現に、私にはこの人は解らない。
人任せに仕事をしてる様なのに、何故、あんなについていく人がいるのか。
いつも笑っている癖に、時折見せる皮肉げな表情はなんなのか。
ボンヤリしている様に見えて、鋭いところがあるのは知ってる。
後輩思いだという事も解った様な気もするわ。
たまにオッサンくさいのも?
半端なおじさんと言うか。
「…………」
要するに、どっちが建前かよく解らなくなってきている。
……この人は、いったい何をしたいんだろう?
正直、全く解らない。
「……まぁ、これで始まりに戻った訳だ」
はい?
ニッコリ微笑む有野さんに、ポカンとした。
始まりに?
始まりにも何も、そもそも単なる仕事の上司ってだけで……
「さすがに酔って前後不覚の人を、どうにかしちゃうのはねぇ……」
ああ……
そうですよね。
人としてどうかしてますよね?
「じゃ、これから宜しく」
「は、はぁ……」
「と言う訳で、飲みに……じゃなくて、ご飯を食べに行こう」
「はぁ!?」
「こないだ、魚の美味しいお店を見つけてね。誰か誘って行こうと思ってたんだ」
ニコニコしながら言う有野さん。
呆れた……
「あのぅ……。何故、私がソレにお付き合いしなくてはならないのでしょうか?」
「目の前にいるから」
はぁあ?
「有野さんって、全然解らない人ですね」
「よく言われる」
腕をガッシリ掴まれて、グイグイ引っ張られた。
「ちょっ……! 有野さん!?」
「今日くらい付き合ってよ」
「今日だけでいいですか?」
歩きながら有野さんを睨む。
「それは約束しない。俺、約束は破らないことにしてるから」
「じゃ、行きたくないです」
「とりあえず行こうね。目立ちたがりなら騒いでもいいけど」
……ちょっ!!
「それって、脅しですか!?」
「まさか」
そう言って、有野さんはにこやかに微笑んだ。
「脅迫だよ。脅しなんて甘い甘い」
ちょっと待って!!
「なお悪いじゃないですかっ!!」
「そうかもねぇ?」
そんな感じで、結局……
「焼き魚って旨いよね」
面と向かって焼き魚を食べるハメになった。
人任せに仕事をしてる様なのに、何故、あんなについていく人がいるのか。
いつも笑っている癖に、時折見せる皮肉げな表情はなんなのか。
ボンヤリしている様に見えて、鋭いところがあるのは知ってる。
後輩思いだという事も解った様な気もするわ。
たまにオッサンくさいのも?
半端なおじさんと言うか。
「…………」
要するに、どっちが建前かよく解らなくなってきている。
……この人は、いったい何をしたいんだろう?
正直、全く解らない。
「……まぁ、これで始まりに戻った訳だ」
はい?
ニッコリ微笑む有野さんに、ポカンとした。
始まりに?
始まりにも何も、そもそも単なる仕事の上司ってだけで……
「さすがに酔って前後不覚の人を、どうにかしちゃうのはねぇ……」
ああ……
そうですよね。
人としてどうかしてますよね?
「じゃ、これから宜しく」
「は、はぁ……」
「と言う訳で、飲みに……じゃなくて、ご飯を食べに行こう」
「はぁ!?」
「こないだ、魚の美味しいお店を見つけてね。誰か誘って行こうと思ってたんだ」
ニコニコしながら言う有野さん。
呆れた……
「あのぅ……。何故、私がソレにお付き合いしなくてはならないのでしょうか?」
「目の前にいるから」
はぁあ?
「有野さんって、全然解らない人ですね」
「よく言われる」
腕をガッシリ掴まれて、グイグイ引っ張られた。
「ちょっ……! 有野さん!?」
「今日くらい付き合ってよ」
「今日だけでいいですか?」
歩きながら有野さんを睨む。
「それは約束しない。俺、約束は破らないことにしてるから」
「じゃ、行きたくないです」
「とりあえず行こうね。目立ちたがりなら騒いでもいいけど」
……ちょっ!!
「それって、脅しですか!?」
「まさか」
そう言って、有野さんはにこやかに微笑んだ。
「脅迫だよ。脅しなんて甘い甘い」
ちょっと待って!!
「なお悪いじゃないですかっ!!」
「そうかもねぇ?」
そんな感じで、結局……
「焼き魚って旨いよね」
面と向かって焼き魚を食べるハメになった。