Focus

「結輝くんは、どうしてあたしを選んだの?」

握りしめた手を唇にあてながら、沙那さんが聞いた。


「花を生けている沙那さんが…綺麗で、この人をもっと知りたい、そばに行きたいと思ったから………」



今思い出しても、花を生けている沙那さんは綺麗だった。

こんなに綺麗な人は、見たことがないくらい、綺麗に見えた。



「俺は沙那さんを知りたい、触れてみたい……それが全てなんです」

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