Focus
厨房から出ると、待ちかまえるかのように、沙那さんがいた。
眉が寄せられて、苦しそうだ。
「結輝、今のなに?」
どこから見ていたのか、ミオを励ましていたのを見られていたらしい。
「ミオが悩んでいたから、話を聞いて相談に乗ってただけですよ」
もしかして、嫉妬?
ヤキモチを妬かれてるみたいで、ちょっと嬉しくなってる自分がいる。沙那さんはクールな大人であんまりそういった感情を表さないと思っていたから、余計に。