Focus






触れて、舐めて

形のない気持ちよりも、触れることのできる体なら、反応がわかるから安心できた。

沙那さんの反応を見て、いい場所を探していく。

もっと、気持ち良くなって。


もっと、俺を求めて。


「沙那さん……俺を見て」

潤んだ瞳を開けても、どれだけ声が届いているのかわからない。甘い吐息で部屋が満たされていく。


「……ゆ う き」

「うん。……沙那さん、好き」


目にも、耳にも、俺を感じていてほしい

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