Focus
一生に一度の大切な時間が、淀みなく流れるように進行していく。
「ミオはどうしてブライダルのパティシエをしてるの」
「きらっきらのお店に並ぶケーキもいいけど、ブライダルは幸せのお手伝いって感じがするでしょ。やっぱりケーキは幸せな気持ちで食べて欲しいし、それを見ることが出来るってのは、やり甲斐があるよね」
おまけ、そう言ってミオの写真も撮ってやる。
「美人天才パティシエの紹介の時に使わせてもらうわ」
にこっとミオが笑うと三日月の目がなくなった。
「美人とか天才って自分から言うなんて有り得ないだろ」
「隠しきれなてないからいいのよ」
「マジありえねー」
ミオと二人顔を見合わせて笑った。