Focus

「結輝の良さをわかってくれる人もいるよ……多分」


「多分てなんだよ。からかいに来たのか? 」


睨みつけても怯まない。


「そんな訳ないでしょ。ヒマじゃないし」


腕を組んで見上げてくるミオは勝ち気な顔をして、そして笑っている。

ああなんか写真撮りたい。そう思える顔だった。ミオがミオであるような、そんな顔をしていた。


「あっそ。ヒマ潰しにもならなくてすみませんね」

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