Focus
「ずっとそばでミオのことを見ていたい。もし肩書きがいるなら、専属カメラマンにしてくれていいから」
「そんな堅苦しいのいらない」
またじわじわとミオの目に涙が盛り上がってくる。
「ほかにないの?」
「ずっと一緒にいてくれミオ……。情けないところばっかり見せてるし、まだ沙那さんと別れて日も浅いのにこんなこといって信じられないかもしれないけど、写真を見たらわかったんだ。
ミオが好きだって」
「ニブチン……バカ……結輝の、バカ」
こらえきれず涙を流すミオを腕に抱く。
「でも嫌いじゃないだろ」
「……うっ…うん……好き」
顔をあげて、必死に涙をこらえてそれだけ言うと、後はもう言葉にならなかった。