Focus
こちらを確認した連中は、くたびれたオッサン一人なんて力で捩じ伏せられると見て取ったようで、薄ら笑いを浮かべた。
「無理しないの、お、じ、さ、ん。若者の恋愛に口出ししないでくれる」
「そーそー自由恋愛っしょ」
「無理だよ。あんたらじゃ彼女の足元にも及ばない」
それだけは確信があった。間違っても玲奈ちゃんはナンパされて付き合うような子じゃない。
「聞いてみたら」
玲奈ちゃんに目を向けると、ふるふると頭を振ってはっきり言いきった。
「あたし、行きません。ごめんなさい」
また髪が地面につくようなおじきをした。
「ね。だから無理なんだよ。ナンパなんかしなくても彼女は出来るから」