いい加減な恋のススメ
―――「告白の返事、また聞かせてね」
どういうことなの、まだ頭が混乱してる。とぼとぼと帰りながら、私は頭を抱えてしまっていた。
結論を纏めると私は告白された、でいいんだよね?凄くややこしすぎてまだ実感が湧けてこないけど。
「(あの小田切先生が……)」
そう自覚を何とかするとどうしてだか体の温度が一気に上がった気がした。
そうか、私は生まれて初めて告白というものをされてしまったのか。そう思った瞬間に言葉には出来ない何かが口から溢れ出そうになって私は両手で口を覆う。
しかもあの小田切先生。イケメンで優しくて爽やかで、ちょっと意地悪なところがあるけれど滅茶苦茶好青年のあの人に好いてもらうなんて、きっとこの先絶対ない。
で、でも……
「今は教育実習で忙しいし」
そうガックリと肩を落とす。恋愛をしにこの高校に来たんじゃない、私は自分の夢を追いかけてきたんだ。それに恋愛を混同してしまうのは自分ではどうしてだか許せないところがあった。
きっとこんな話を杏にしてしまうと「こんの真面目女がぁ!」と罵られてしまうと思う。