いい加減な恋のススメ



私はただ正しいことを言っただけなのに彼は何故か私のことを蔑むように見たから目が合わせられなくなる。
どうして彼がそんなに怒っているのかが分からない。昨日と雰囲気が違いすぎて混乱してしまう。

もしかして簡単に抱かれる変態女って思われてるかも。

ぎゅっと胸が締め付けられる。


「小田切とだったら誤解されても嬉しいのにな」


ふと、そんな言葉が降り掛かり、顔を上げようとすると彼は玄関扉を開いて私の体を外へと押し出した。


「ちょ、幸澤せんせっ……」

「うっせ、バーカ」

「なっ!」


バタンッと思いっきり閉められた扉に私は何も言えなくなった。
帰ろうとすると怒ったのに、今度は自分から起こって私のこと追い出すなんて……


「(意味が分からない……)」


それにあの暴言、今の小学生でももっとマシなこと言うと思うんだけど。

それから……


―――「小田切とだったら誤解されても嬉しいのにな」


あの人、よく小田切先生の名前出すよな。何でだろう、何か恨みなんかでもあるのかな。
私は頭を捻らせた後ハッとすると自分の家へと急いだ。



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