いい加減な恋のススメ



ていうか、私のクラスの生徒がいないからあんまり仲が良い子とかいないし……馴染めない。
そう考えていると「いーちゃーん!」と再び川西先生がやって来た。


「これ、ウチのクラスでたこ焼き出すんだけど、食べて?」

「ちなみにこのクラスこの人の独断でタピオカジュースも出すらしいよ。実習生でしゃばりすぎだよね」

「五月蝿い、ギリギリは黙って」


タピオカも持ってくるね!、と川西先生は再び自分のクラスの方へと戻っていく。彼女のクラスはほとんどが男子らしいけどあの性格だから上手くやっているみたいだ。
しかし一応くれたものだし、食べないわけには行かないよね。


「あ、お箸がない」

「本当ですか?何処かに残ってないかなぁ」

「……」


周りを見渡してみたけど部外者も何人か混ざっているからか、もう割り箸の残りは無さそうだ。
どうしよう、と考えていると「仕方ないね」と小田切先生は自分が持っていたお箸でたこ焼きを1個持ち上げた。


「はい、あーん」

「っ……え!?」

「だってお箸無いですから。冷ましましょうか?」

「い、いえ!結構です!」


たこ焼きを私の口元へと近付ける小田切先生。
こんなに人がいるところで食べさせて貰うなんて羞恥過ぎて死んじゃいそう。



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