いい加減な恋のススメ
でも拒むのも小田切先生に失礼だし。
私は何回も悩んだ挙げ句目の前のたこ焼きを口に含んだ。ドキドキしすぎてあんまり味が分からないかも。
「どう?美味しいですか?」
「……はい、」
何か、こんなところで意識しちゃうなんて……
小田切先生に好かれてるんだってこと。
すると、
「わー、2人はラブラブデスネ」
「「っ!?」」
吃驚して小田切先生と共に声がした方を見るとリック先生がニヤけた顔で手を叩いていた。
そんな彼の台詞に教室中にいた生徒たちにも注目される。
「ちょっと小田切先生ー、泉ちゃんだけ狡いー」
「そうだよ!私たちにもあーんして?」
「ていうか何で泉ちゃんにあーんしたの!?」
数人の女子らに一気に問い詰められる小田切先生。ごめんなさい。
私はそんな光景を呆然と見つめていた。
だ、駄目だ。これでは私と小田切先生と付き合ってるみたいに思われちゃう。いや、もうその手前ぐらいにはきてるんだけど何て言えば。
「君たちは生徒でしょ、そんなこと出来ないよ」
「えー、じゃあ泉ちゃんは?」
「友達」
ね?、と意味深な後押しをされて私は素直に頷く。どうしよう、"今はまだ"って意味だったら。
すると、
「まるでMr.オダギリとイズミは恋人のようデスネ」
ガララッ
リック先生がそんな片言日本語でそう言ったのと同時に調理室のドアが開いた。