いい加減な恋のススメ



ここまで来たら、絶対絶対見返してやる。「幻滅した」なんて言葉、絶対後悔させてやる。
高校の時からのこの気持ち、今度こそ本気でぶつけてやる。
私は「よし!」と気を引き締めるとベッドから起き上がり、拳を作った。










『ふーん、そんなことが』


杏は興味無さそうに反応した。


「だからね!私これからは授業成功させるために頑張るから!杏にこうやって愚痴言うのは今日で最後にするね!」

『うん、凄い助かるー。泉の愚痴ってめちゃくちゃネチネチしてて嫌なんだよね。いつまで過去のこと気にしてんだって』

「うっ……」


確かにそれはそうですけど。
まるで散々したかのように「あー、良かった」と漏らす杏に私は電話越しに悲しくなった。


『ていうか、それ本当に幸澤が言ったの?アイツにもそういう面があったとはねー』

「そういう面?」

『熱い所ってこと。叱ってくれるっていうのはさ、泉のこと考えてくれてるんじゃないの?泉の授業成功させて欲しいんだって』

「それはきっとあの人の気持ちじゃないよ。ただ私が失敗したら教育担当のあの人にも傷がいくから」

『そんなこと気にするヤツだっけ』

「……」



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