いい加減な恋のススメ
1日目の放課後、既に私の疲れはピークと達していた。本当にこんな日々がこれからも続くとするとこれは以上に辛い4週間が待っているのではないだろうか。
職員室の実習生用に準備された机の上に項垂れていると隣から「大丈夫?」の声。顔を上げると隣の席であり同じ実習生の小田切先生だった。
「小田切先生、小田切先生のクラスはどうでしたか?」
「んー、普通に元気なクラスでしたよ?」
「……そうですか、それは良かった」
学生は元気でなんぼですよね、と私は完全に体を起こすとはぁっと溜め息を吐いた。
すると爽やかなスマイルを見せて「何かあったんですか?」と聞いてきてくれる彼に思わずキュンと来てしまった。昨日今日とあのいい加減男に振り回されていたから小田切先生のような好青年の癒しが欲しかった。
「小田切先生ってどなたに担当してもらってます?」
「え、僕ですか?矢崎先生ですね」
「……矢崎」
苦い顔をして言った小田切先生に顔を傾げると、
「体育の、すっごい熱血な人」
「あぁ、小田切先生体育専攻ですもんね」
「そうそう、これがまた凄くて」
なるほど、熱血か……それよりは幸澤先生の方がマシかなぁ。