いい加減な恋のススメ



いつまで経ったって、彼は私の教師であり、そして私の先に立っている人。それだけはこれからも変わらない。
だったら一体、何が変わって欲しいのだろう。

自問自答を繰り返しては納得の行かない答えを捨てていく。

本当の私は、これからも走っていたかった。諦めたくなかった。

諦めなくても良かったのかな。










目蓋を上げると数回瞬きをして体を起こした。何か体が怠いような、重たいような。自然と指が目を擦り、あぁ、私は眠っていたんだなと気が付いた。

え、眠っていた?


「っ……」


私は慌てて壁に掛かってある時計を見た。すると時刻は既に8時半を過ぎており、私は慌てて席を立つ。
あれから1時間も眠ってしまっていたなんて。余程疲れていたのだろうか。

職員室には私以外誰もいなかったので帰ってしまったのかもしれない。私は急いで帰る準備をしようと荷物を鞄に詰める。
色々なことを悩んでいたらいつの間にか気を失っていたのだろう。確かに最近はあまりよく眠れていなかった気がする。

私は溜め息を付きながら授業のノートを手に取った。
その時、私はある違和感に気が付いてノートを眺める。



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