いい加減な恋のススメ
『ていうか、アンタのお父さん教師でしょ?そういうこと教えてもらったらいいじゃない』
「う、うちのお父さん放任主義で……」
杏よく知ってるでしょ?、と言えば杏は染々と「そうだったなぁ…」と声を漏らす。
うちの家は別に教師一家、ということではないのだが父が数学教師で母も真面目な方。私はよく父に中身が母に似ていると言われるほど真面目に育った。
そしてやはり収入が安定してる公務員という職にどうしても就きたくて、学生の頃から努力をし、確実にその可能性を高めてきた。
そんな中、やはりこの教育実習はその大学教育の中でも高く評価されることなのでここで失敗したら私のビバ☆公務員の夢もTHE END 。
ここはどうしても初めて行く高校だし、頑張りたいところ。
『まぁまぁ、明日は別に偵察ってだけでしょ?だったら気にせずリラックスしなさいよ』
「偵察って言い方……」
『それにこれが終わったらもう後はほとんど勉強しなくていいんだからね!?あぁ、早く卒業したいなぁ……』
「杏、それは気が早いよ……」
そんなことより、明日の教育実習大丈夫かなぁ。杏に励まされながらその夜を過ごした私だったが、まさか次の日、"あの人"と再会するなんて夢にも思わなかったのだ。