いい加減な恋のススメ
すると川西先生がその言葉にムッとする。
「何かいーちゃんには優しいー」
「そりゃ、媚売ってくる子よりは」
「え、私そんなことしてないし」
「気付いてないんだ」
何か仲がいいな、と思っていると小田切先生が「気にしなくていいからね」と私に手を振った。
「気にする?」
「あ、そうじゃなくて……」
「……?」
「……ごめん、何焦ってんだろうね。俺着替えてくるんでこれで」
そう言うと小田切先生はその場を去っていってしまった。最後に自分のこと「俺」って言ってた。何か動揺でもしていたのだろうか。
私が首を傾げていると隣の川西先生がニシシと笑っている。あ、この顔はパパラッチ彩の顔だ。
「いやー、いーちゃんってば天然タラシ」
「え!?」
何がですか!?、と驚いてその意味を確かめようとすると川西先生は「戻りましょうー」と職員室の方へと歩いていく。
あ、そういえば私小田切先生に自分からご飯誘わなきゃならなかったんだった。でも今の雰囲気じゃ絶対パパラッチ彩に目を付けられていただろう。
どのタイミングで言えばいいんだろうか、私はそれに頭を悩ませた。