マフラー
朝の御用聞きも終わり、
教室に戻ってくると、由美がなんか言いたそうな目で私を見つめている。
「由美!!なんか言いたいなら言えば?」
私は、由美にそう言った。
「いや~別に。」
由美は、またもやニヤニヤしながらそう言った。

「みんな、席着かないと。」
クラスの誰かが呼びかけた。
私の行っている富見小は、チャイムが鳴らないから
1人1人が時計を見て行動しないといけないのだ。

午前の授業が終わり、昼休みが終わり
あっと言う間に5時間目になった。

「今日は、将来の夢について書いてみよう」
5時間目は書写で、イキナリ先生は↑のような事を言った。
「将来の夢か…。瑠未は、何書くだ?」
イキナリの修一の質問にビックリしつつ
「脚本家。」って私は言った。

「脚本家ってなに?」修一はまた質問してきた。
「ドラマとか舞台の台本を書く人のこと」
「へぇ~、そうなんだ。」
「修一は?なんって書くの?」
「俺は、甲子園って書く。」
「甲子園か、そんなに野球がすきなんだね。」
「おう!!」
「でもなんで、野球選手って書かないの?」
「だって、まずは甲子園出ないと、選手にはなれんから。」



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